担当講師:佐藤 柳言
日本には,2500基以上の数のダム(写真1)が整備されています。
ダムは,洪水調整・水資源の確保・水力発電・河川環境保全などを目的に造られるもので,我々の生活に欠かせない土木構造物の一つです。
ダムの堰上げによって貯められた水は位置エネルギーの大きい状態になるため,ダムからの放流水は大きな運動エネルギーをもつ流れ(高速水流)となります。
このような高速水流をダム下流側の河川・水路にそのまま流下させてしまった場合,河道・橋梁・道路などの施設や人家に被害を及ぼすことが想定されます。
このような事態を未然に防ぐため,ダム下流側には流水の運動エネルギーを小さくするための構造物(減勢工)を設けることがあります。
本講義では,代表的な減勢工を例に挙げ,ダム下流側で高速水流がどのように制御されているかを説明します。
また,私の研究グループが実施してきた高速水流制御の研究の一端を紹介します。
この講義を通じて,土木工学に水の流れに関する力学(水理学)の分野があることを知り,流水現象の不思議さと面白さを実感できることでしょう。