担当講師:佐藤 信治
日本は四周を海に囲まれていることもあり,水族館は身近な施設の一つとして,皆さんも一度は訪れたことがあると思います。
その数は正確には捉えられていませんが,大きなものから小さなものまでを合わせると日本全国で100館以上,ひょっとすると150~200館近くあると言われています。
この数字は実に驚異的なもので,全世界の水族館を合わせても日本の水族館数を超えないといわれているほどです。
このため近年,各地に建設された水族館を見てみますと,他の館との差別化をはかるべく,観客を楽しませるための様々な工夫を展示に取り入れてきています。
一方で,これら生きた水生生物の展示を支える水族館の建築的な構成は一体どうなっているのでしょうか?
こうしたことについて,建物を建設する前の段階の「建築計画」という観点から捉えてみると意外なことがわかります。
「建築計画」とは,簡単に言うと建物を使いやすさの観点から研究する学問体系で,これらの研究成果を蓄積することは,快適な建築空間を作り出すために極めて重要なことです。
しかし,日本各地にこれほど多くの水族館が建設されているにもかかわらず水族館を設計するための「建築計画」的な基礎資科の数は,きわめて少ないというのが現状です。
本講義では,展示水槽を日夜,直接的に管理する飼育員の視点,つまり水族館の裏側にスポットをあて,今後の水族館建築のあり方を考えていきたいと思います。



「Kingston upon hull
The Deep 水族館」