持続可能なまちづくりを海からの視点で考えてみよう

担当講師:寺口 敬秀

近年,気候変動に伴って,日本各地で集中豪雨による被害が増えています。
また,世界に目を向けても,海面上昇に伴う土地の消失や,高潮による被害範囲の拡大など,沿岸部の都市では様々な問題が起こり始めています。
一方で,広大な海洋空間は,まだ開発されておらず,様々な取り組みをする可能性を秘めています。
特に,建築・まちづくりの面では,海の上に浮かぶ建築物や都市の役割に注目が集まっています。
国際連合は,2019年に「Oceanix City」と称した計画を発表し,将来的な人々の居住領域としての海上の重要性を示し,約300万人の居住者を受け入れる新たな海上都市モデルを提唱しました。
また,欧米諸国では浮体式の集合住宅やオフィス,農業施設等が次々と実現しています。
日本でも同様に,東京や大阪で浮体式のレストランやホテルが建設され,身近な水辺空間の日常利用に向けた試行的な取り組みが実施されています。

本講義では,人類の将来に向けた持続的な都市計画を行う上での海の役割や可能性に注目し,国内外における海上建築物の歴史を解説するとともに,最近の海上に建設された建築物の事例などを紹介し,海洋建築の重要性を皆さんに感じていただきたいと思います。