No. N-11 出張講義対応

不変量

担当講師:笠川 良司

輪ゴムのようにゴムでできた物体を考えます。
ゴムで作られていますから,少し力を加えれば形は少し変わります。切れない程度に力を加えていくと,かなり形は変わります。しかし,形は変わっても同じ物と普通は考えます。
位相幾何学では,図形や物体の形が少しぐらい変わっても,更にはその積み重ねで見た目がだいぶ変わったとしても同じ図形,物体と考える幾何学です。少し言い方をかえると2つの図形が同じであるとは片方を少しずつ変化させてもう一方の図形になる場合をいいます。

さて,2つの図形があるとします。これらの図形は同じかを考えます。
同じであれば少しずつ変形して同じ形にすれば良いのですが,(といっても簡単ではありませんが)異なる場合どうすれば異なることを示せるのでしょうか。
いくら変形しても同じ形にならないからといって,違うとは言えません。もしかしたら別のやり方で同じ形になるかもしれません。すべての変形を試せば良いのですが,変形のやり方は無限に多くあるので,いくらやっても終わりません。
ここで登場するのが不変量です。例えば,いま考えている図形1つ1つには数が対応しているとします。この数が図形の少しずつの変形では変わらないとします。すると少しずつの変形で移りあう図形は同じ数が対応します。ということは,この数が異なる図形は同じ図形ではないということになります。

身近なところでは,ボールと浮き輪は上の意味で違うものです(見た目にも明らかに違います)が,これらも不変量で区別できます。それは何でしょうか。