担当講師:月岡 透
みなさんが複素数と初めて出会うのは,2次方程式の解の公式においてだと思います。
「解なし」としてしまえば,話はそこで終わってしまいますが,想像力を豊かにして,2乗してマイナス1になる数も数の仲間にしますと,2次方程式は「いつでも解を持つ」と言うことができます。
数学の勉強を進めていくと,「複素平面」というものを習うことになります。
これはひとつひとつの複素数をそれぞれ平面上の点だと思うことにして,平面幾何の問題をそのまま考えるのではなく,複素数の計算を通していろいろと調べてみようというものです。たとえば複素数のたしざんやかけ算は,平面上の点の平行移動や回転に対応することになります。
もう少し先に進むと,今度は逆に,普通の平面上の座標を表すふたつの実数を複素数にしてしまうことを考えます。
すると,平面上に描かれた放物線,楕円,双曲線は複素数の空間に広がり,互いに写り合い,結局は同じものになってしまいます。このような奥行きのある世界では,2次式がお団子(リーマン球面)になったり3次式がドーナツ(楕円曲線)になったりします。
複素数は,想像上の数ではありますが,慣れ親しんでいくと感覚に訴える現象が見つかります。このような話題から,代数や幾何に関する興味深いものを選んでお話ししたいと思います。