担当講師:高橋 正行
旧来から自然と人工物との調和を考えた景観(landscape)が様々な所で見られる。
例えば,自然に形成された滝と植樹との調和などが挙げられる。人が好む景観には静止したものばかりでなく動きのあるものと調和のとれた景観も数多くある。「ながれ」を意識して表現しなおすと,「ながれ」の有する「動」が周囲の「静」なる対照物と調和して美しい景観を創り出すものと考えられる。
河川に設置された工作物としての連続した階段状水路を流れる様相は自然の樹木と調和し,景観美と評価されている(写真1)。
アメニティ空間の創造のために,人工施設に造られた噴水の流れや階段を利用した小さな滝などでも景観美をつくりだし,それらの流れは歴史的にも古くから利用されている。
上述の落差を伴う「ながれ」は局所的に流れが急変する流れ,いわゆる局所流である。局所流は人が認識しやすい流れである。特に気泡が混入した流れは人の目を引き付ける興味深い流れである。すなわち,局所流は流れの景観として利用しやすい流れである。
従来,景観に生かされた気泡混入流れの創作は職人技に限りなく近く,経験的なセンスで設計されている。
再現性のある気泡混入した流れの景観設計を可能にするためには,流れの水理学的特性の解明をすることが重要である。
ここでは,局所流における「流水の美」を景観に利用するという観点から流れの水理学的特性を紹介する。
