ナノテクノロジーを化学する:エネルギー社会・医療技術への貢献に向けて

担当講師:須川 晃資

“ナノテクノロジー”とは,分子ほどの小さなサイズの物質を扱う技術の総称であり,このような非常に小さなサイズの物質をナノ材料と呼びます。通常,我々が目にするありふれた素材でも,ナノサイズまで小さくすることで,これまでにない新しい機能を発現することがあります。
そういった点で,ナノ材料に関する研究は私たち研究者にとって魅力的であり,また,我々人類の社会においても新しい技術革新の可能性を秘めているのです。

例えば,私たちが通常目にする“金”は名前の通り“金色”を呈しますが,金をナノメートルサイズの粒子にすると,鮮やかな“赤色”を呈するようになります。更に,それだけではなく,吸収した光エネルギーを補足するという,分子では成し得ないような不思議な特徴を持つようになるのです。
金属ナノ材料を化学の力でうまく合成し,思い通りに組み立てることができれば,きっと光エネルギーを自在に操る技術が確立されるでしょう。そうすれば,この技術を基にして,これまでにない高性能な太陽電池や,副作用のない癌治療等技術が発展するかもしれません。
このように,ナノ材料の研究は未知の可能性を秘めた研究分野であり,私たち人類にとって必要不可欠な技術をもたらす原動力になりうるのです。